クラウドバンクは、日本クラウド証券が運営する1万円からの少額の金額で大型の投資案件に投資できるソーシャルレンディングサービスを提供するものである。このクラウドバンクの取り扱う商品の特徴としては、他の会社に比較して利回りが高いわけではないけれども国策にそったような堅実な案件を提供している点である。その中身を具体的に検討してみよう。
まず、募集商品の中で多数を占めるのが太陽光発電ファンドである。これは、小口の資金を集めて太陽光発電所の建設に係る費用を貸し付けて、その売電収入から返済を受けて、金利とともに出資者に償還していくというスキームとなっている。国が始めた再生可能エネルギー固定価格買取制度により太陽光発電所で発電した電力を電力会社にその年度ごとに決まっている買取価格で買い取ってもらえるという仕組みを活用したもので、晴れの日には必ず収入が発生するという点に着目して貸し付けるものである。このスキームでは発電量が事業の重要部分になるので太陽の光を浴びることができる優良な立地かどうか等をクラウドバンクで審査することとなる。
また、同じ固定価格買取制度に着目した商品として風力発電ファンドもある。太陽光発電所が風力発電施設に代わるだけで基本的なスキームは同じである。こちらは風が吹く魅力的な立地か等を審査している。また、不動産担保型ローンファンドという他の会社でも取り扱っている商品も存在しており、不動産等の会社が不動産を購入等するための資金を貸し付けて、貸付を受けた会社がその資金で不動産を購入するとともに当該不動産にクラウドバンクあてに抵当権等を設定し、当該不動産について造成して建物を建設して売却する売却代金から当該貸付資金及び利息を回収するというスキームである。こちらは太陽光等のように絶対に買い取ってもらえるので必ず資金が回収できるというものではないため、仮に建物売却がとん挫しても当該不動産について抵当権を実行して弁済を得るといった担保を設定していることが多い。
そしてこれらのファンドについては運用期間が最大で8~9か月のものが多く他社と比較して運用期間が短いので当面1年間程度使わないお金を堅実に投資する投資先として考えることができる商品が揃えてあるといえるであろう。
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